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2026.08.2216:55

マーケティング

バンドマンのためのマーケティング、みたいな記事が話題を呼んでいた。


こういうのは一旦読むタイプなのでちゃんとチェックしたが、確かに強い言葉で書いてあったものの、概ね間違ったことは言っていなかった。

要約すると、思考停止したまま遮二無二やらずに機会と自分と客を分析し適切な場所に売り込め、ということだと思う。
ただそれを強い言葉で表現しているため、美学に反するとしたバンドマンや音楽ファン、ライブハウスの怒りを買った上、その著者が炎上よろしく全ての喧嘩を買っているようだ。

表現やスタンスの是非は置いておいて。
せっかくなので自分なりのバンドマンのマーケティングを改めて再考してみる。
後輩のバンドマンに相談されたらどういう話をするのか、みたいな視点でフランクになるけど。



まず初めに、当該記事では前提とされているものの、現実に即していない部分があると思っている。
「いわゆるバンドマンによる音楽はそもそも売り物に適した商材ではない」ということである。
著者はその類の音楽とバンドマンを信頼しすぎているんじゃないか。


おれを含めたバンドマンなんて音楽バカばっかりなので、売り物になる、と思って音楽始めている人なんてほぼいない。
いないというか、バンドマンの「売れたい」という言葉は大体「音楽めっちゃ好きだからやってみたけど楽しいぜ!…え、これもしかして売れるかもしんなくね!?」という非常にロジカルな思考を経て発せられている。
音楽を商材として選択した人はノルマ払ってライブハウスに出演しないだろう。

そういった考えの人間が多くいる界隈に「あなたの活動は夢の実現に対して非効率的である」と警鐘を鳴らしたいのはわかるが、そういった経緯からほとんどのバンドマンは筋道立ててちゃんと売れたいと思っていない。


また、バンドマンの共通意識にうっすらとある認識も知って欲しい。

「音楽をただの売り物としたくない」という思想のことである。
そして売り物として扱うとしても、それを明言しないこと。
カッコつけなきゃいけないこと。
ミュージシャンにとっては、頭が悪く見えようが至上の命題なのだ。

「そういうこと」をしない人たちに憧れて音楽を始めた。
売れていない、成功していないからと言って「そういうこと」をしろ、と言われるのは抵抗がある。
おれもそう。
だって音楽なんてただの売り物だぜ!なんて人の音楽を聴く人はいない。


とまあ、この前提部分を考えてみるだけで、当該記事が多くの人たちを敵に回してしまう記事になってしまうことはわかる気がする。
バンドマンの柔らかい部分に触れてしまうのだから。
柔らかい部分はとても大事な部分。
バンドマンはプライドと夢で霞の飯を食いたいのだ。
ポップしなないでについては、奇跡的に霞を白米に替えてくれるみんなが集まってきてくれただけなのさ。



さて本題、改めてバンドマンのためのマーケティングについて考えよう。
おれなりの、にはなるのであんまり深くツッコまないでほしさはある。
お前売れてないじゃん、もやめて欲しい。
効くから。
おれは別に売れないから情報商材屋みたいなことをし始めた彼らとは違う!
単なる思考の整理である。



・好きな音楽とやりたい音楽とやれる音楽を考える

ざっくりと言ってしまうが、自分のルーツから後者2つをちゃんと認識した方がよい。
これはやりながらに考える場合もあるし、おれもちゃんと分析できていないが、この「やりたい音楽」によって市場や将来のビジョンを考え、「やれる音楽」でそこに近づくために頑張っていく、という努力ができるんじゃないかと思っている。
それにはまず初めに、ルーツの掘り下げが必要となる。

本当にやりたい音楽でないとやっててしんどくなるから。
甘いと言われるかもしれないが、モチベーションは何より大事だし、おれは音楽やるならめっちゃ好きな音楽に紐づいた音楽をやった方が絶対にいいものができると思っている。
これは理想論ではなく、見ている人は絶対そっちの方をかっこいいと感じるのだ。


・バンドメンバーやスタッフと活動について沢山話す

仲良くする、というだけではなく、大体どれくらいのことをするためにどれくらい頑張りたい、みたいなやつを話し合っとくと良いと思う。
ハードルを共有すれば、ライブや制作が終わったタイミングで反省もしやすい。
おれはこれをかめがいさん、スタッフともいつも共有しようとしている。

ディスジャパはこれをうまくやれていなかった気もするし、活動が落ち着いた最近になってようやくできたと思う。
それならはよライブやれという話なんだけど。
仲は良かったと思うが、活動をする上での話をちゃんと出来てなかったっぽい。
無償で一緒にやれる人間を大事にしなければ、続くものも続かないよな。


・売り方を選ぶ

やれることはなんでもやれ!と意見もあるが、選ぶ必要もある。
どうやって売れたら自分のためになるのか、を考えれば良いだろう。
ハンブレッダーズは(自称だが)バズらずにあそこまで行った。
ビレッジマンズストアは全国の仲間を集め続けてあの規模になっている。

バズることを狙うことが悪いとは言わないが、やり方が色々ある中でバズるバズらないを絶対の判断基準にするのは間違いだ。
少なくともバズることを最大の成功として活動することは回り道になることもある。
なぜならバズることはとっても大変だから。
バズるのを狙ってバズらなかった時の気持ちを外の人たちはわからない。
バズった人たちってマジですごいのよ。

忘れらんねえよはバズること以外を全てやった上でバズったから今ああなっている。
ちゃんと自分の価値観で音楽をやってきた人がバズった時のエネルギーはとても大きい。

ちなみに我々は、どんなプラットフォーム・SNSでも聴いてくれる人が増えるなら、ちゃんと自分の音楽が伝わる方法であればなんだってやるタイプである。
音源だってライブだってなんだって構わないし、入り口は多い方が良い。

もちろんバズったそりゃ嬉しい。
どこかのSNSで知ってくれた人がライブに来てくれるのもありがたさしかない。

だが、それは「バズらなかったら失敗」のスタンスではないよ、ということであることは明言したい。
出会いがなるだけ増えて欲しい、がスタートラインなのだから。
再生数が少なくても、気に入ってくれたら、なぜか心に残ってくれたら嬉しい、でいいじゃない。
と個人的には思うんだけど、これって甘いのかしら。


・ものさしを持ち、長く続ける

上記は全て長く続けるということに繋がる。
とにかく長く続ければいいというのではなく、有意義に音楽を楽しく続けていれば生まれるものは良くなっていく、と思っている。
(この有意義、というのが厄介なのだが)

せっかく人間がオリジナルの音楽を作ろうと思い立ち、人前で恥を晒しながらライブをし、音源を公開する。
そんな愛しく尊い人間の活動が、時に誰かの人生の友となる名曲を産むってわけ。
そういうところが音楽の良さだと信じている。

ガラガラのライブハウスや、soundcloudの片隅にも誰かの名曲は潜んでいる。
音楽というフィールドにビジネスチャンスがあるとしたら、そういったところから掬い上げるってことだと思うんだよね。
事実、音楽業界はそういう成り立ちになっている、少なくとも過去はなっていた、と思う。

現場からマスへ広げるのは様々なルートがあるし、どれも間違いではない。
効果が出なかったとしても、それぞれに考えがあり、力を注いでいる。
大事なのは各々が持っているものさしだ。
メンバーが正しいものさしを持てば、バンドは長く続けられる。
そして関係者にもそれぞれ正しいものさしを持って欲しい。

例えばおれは古い人間だから、ライブハウスにあまりマス寄りのものさしを持ってほしくはない。
持っていても良いが、一番大事なのは現場のものさしであって欲しい。

ライブハウスがバズり指南みたいな情報商材のようなメソッドを公開していたが、ライブハウスはミュージシャンをなんでも売り物にすれば良い施設ではないだろう。
それは現場のものさしを放棄し、ミュージシャンのものさしを迷わせることにならないか。
そういった意味で非常に抵抗がある。
これは個人の意見です。

話は逸れたが、とにかく自分が正しいと思うものさしを持ちつつ、誰もが違うものさしを持っていることを認識することが大事なんだと思っている。


とまあ、その辺守っていれば「有意義に」バンド活動ができるのではないか。

少なくとも後悔はしないんじゃないか、とも思う。

マーケティングとして成立しているかは全くの不明。
成立していたとしても、売れなそうなマーケティング論である。(それは果たしてマーケティング論なのだろうか)
論にも満たない理想論の垂れ流しの可能性もあり、まとめる気もそもそもない。
だがバンドマンなんてそんなもんである。

一旦はこれで良いと思うので、気が変わって音楽を売りたくなったらまた書きます。




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