ポップしなないで│ポップしなないで|POP団

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2025.08.1121:00

31. わたしはスタンディングオベーションがしたかった

みなさんこんにちは、かめがいです。
普段はおおよそリアルタイムブログを心掛けているわたしですが、今日は友達の娘のダンスの発表会で、ゆっくり描ける月曜日ではないため、ブワーッと書きますよ。
(リアルタイムブログとは、ブログの途中で、その時のわたしの置かれている状況をリアルタイムにお伝えするスタイルのブログ)


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わたしはこのブログを始めた時、FC限定だし、なんだか普段書かないことや、外に出しにくいことを書こうと思っていました。

その中のひとつが、演劇の感想です。
それは良いも悪いもあり、素晴らしかった!!!というものもあれば、ふざけるな!!!というものもあります。(個人の感想です)

なんですがなかなか今までちゃんと書くことがなく、自分の中で消化していたのですが、今回書いてみようと思います。

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タカハ劇団「帰還の虹」初日を観に行ってきました。

高羽彩さんとは、TOHO Musical Laboという企画でご一緒したことがあり、その時高羽さんは脚本、演出をされていました。
内容はかなりコミカルで、我々は音楽を作らせていただきましたが、完成したミュージカルをみて大層感激しました。

と、これはまたお話するとして。

今年の2月に、タカハ劇団の「他者の国」を観てきました。
も〜〜〜〜〜驚くほど面白く、びっくりしてしまったわたしは、「いつか出演したいです!」と無謀なことを言ってしまうほど、高羽さんのファンになってしまいました。

「次は、かわむらくんも一緒にきます!!」

と宣言し、有言実行で、今回かわむらくんも誘ったわけですね。
もちろん一緒に作品作りをしたんだから、一緒に観に行こうよ、の気持ちと、あまりに高羽さんのつくるものが素晴らしいから観てもらいたい、の気持ちです。
どちらかというと後者ですが、両方が相まって一緒に行きたい気持ちが何倍にもなったのです。
かわむらくんは1人ではなかなか行かないと思うけど、舞台を観ること自体の抵抗は特になく、誘えば結構来てくれるのだ。
かわむらくんと触れたものについて共有するのは好きだし、演劇を観てどう思うのかとか、わたしがすごく興味があるわけですね。

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座・高円寺に行くのはかなり久しぶりでした。
大昔、カムカムミニキーナの公演を見た以来。

その日のお昼は、友達とランチをしてずっと演劇の話をしていました。
「このあと、座・高円寺で芝居を見るんだ」というと、「タカハ劇団?」と聞かれ興奮しました。
東京中の劇場で、今何を上演してるか、把握してるの!?と聞いて、そんなわけはないと返されつつ、2月に観た『他者の国』の話を興奮気味にし、よかったら連絡するから、ぜひ観に行って!と話しました。

そんな熱のまま、かわむらくんと合流し、『帰還の虹』の開演を待ちます。

開演!

そして、終演。

わたしは、勇気がないのが恥ずかしい。
わたしは、スタンディングオベーションをしたかったのだ!!!!
でも、勇気がなくて立てなかったのだ!!!
情けない、恥ずかしい。
いつも我先にと立ってくれる人、ありがとう。

わたしは今後の目標、あまりに素晴らしいものを観たら、自らスタンディングオベーションをする、というのにします。
立っているのがわたし1人だっていいのだ!

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13日まで公演をやっているため、詳しい内容は書かないけれど、わたしは確かに、演劇の存在の意義を感じたのだ!!!

今の、まさに今の現代の日本で上演する意味、わたしたちが観る意味を感じました。

戦争って、なんなんだろうか。
人が人を殺して、麻痺していくなんて、あるんだろうか。
戦地に向かう人を、おめでとうと言ってバンザイするってなんなんだろうか。
なぜ、人を殺して、讃えなきゃいけないんだろうか。

作中では、画家たちの生き方が描かれます。
戦争画家、というのを初めて知りました。
戦争の絵を描き、国民を鼓舞するのです。
日本は勝っている、優勢だ、こんなに頑張っている、日本の勝利を信じよう!

でも、戦争画家って、元々は画家ですよね。
戦争画家にならなければならなかったのかな。
なりたかったんだろうか。
いや、きっとそんなわけない。

作中では、どんな時でも描くのが画家だ、描かなければ画家ではない、というような台詞がありました。
画家であるために、戦争画を描くしかなかったのかな。
人を殺すことが麻痺するように、戦争画を描くことも麻痺するのかな。
生きるために。
描くことが、即ち生きることだから。
自分が自分であるために、描かなければならなかったんだ。

自分が自分であるために、戦争画を描かなくなる登場人物もいました。
その気持ちも、わかる、と思うけど、本当にわかるんだろうか。
わたしが画家だったら、戦争画を描き続けるんじゃないのか?
どうなんだ?

信念を曲げていることも分かっていながら、それでも戦争画を描く。
その苦しみはどのくらいだろう。
でも、わたしだったら、その苦しみと対峙できるかな。
気づかないふりをするんじゃないだろうか。

描くことが生きることだから、どんなものでも描く。
自分を曲げて生きることはできないから、描かない。

どちらも、自分が自分として生きるために。
どっちも、わかるって思っちゃう。
でもわかるのかな、わたしに本当にわかってるのかな、と、ずっと考える時間。

とても苦しく、でも、大切な時間でした。

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文章を書くのが苦手なので、ごめんね、全然伝わらないかな。

そして、画家の生き方に焦点を当てて書いたけれど、もっともっと、生きてる人たちがみんな、壮絶ですごいです。
脚本のパワーも、出演者の皆様のパワーも、すごすぎる。
凄まじかったです。

わたしは帰ってから、友達に電話し(昼の友達とは別)、いかに素晴らしかったかを話しました。
彼女は美容院の予定をずらし、今日見るそうです。
ブログ更新されてる頃には観終わってるかな。
話すのがとても楽しみ。

お昼に話した友達にも連絡し、彼も観に行くそうです。
別の友達にも連絡し、とにかく勧めまくりました。

わたしね、アフタートークをあと2時間聞きたいと思ったのは初めてですよ。
わたしは知らないことばっかりで、本当に、本当に恥ずかしい。
ぜひ、水曜日で終演ですが、観て欲しいです。
観て欲しくて書きました。
上手く書けなかったかもしれないけど。

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帰りにかわむらくんと、この戯曲を高羽さんが31歳の時に書いたという事に大ショックを受けたり、うちらがあの時代にいたら、軍歌書いて歌ってたかな、と話しました。
わたしは、自分が自分であるために、歌うんだろうか。
それとも、自分が自分であるために、歌わないんだろうか。

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タカハ劇団『帰還の虹』
座・高円寺にて
12日 13:00 19:00
13日 13:00


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